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上野西郷隆盛像の歴史的背景と愛犬ツンに隠された驚きの逸話を徹底解説

一条 真人 一条 真人 • 更新: • 公開: • 読了約 8 分
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東京・台東区の上野恩賜公園の一角に、愛犬を連れて悠然と佇む「上野西郷隆盛像」。明治期を代表する偉人の姿を今に伝えるこの銅像は、東京のランドマークとして長年多くの人々に親しまれてきました。しかし、なぜこの場所を選んで建てられたのか、そしてその制作の舞台裏にはどのようなドラマがあったのでしょうか。本稿では、歴史的背景から愛犬・ツンとの関係、妻である糸子が漏らした驚きの逸話、そして現地で押さえておきたい見どころまでを深く掘り下げていきます。

2026年現在も国内外の観光客が絶えず訪れる上野恩賜公園の象徴的存在ですが、建立当時の波乱に満ちた経緯や、銅像を巡る知られざる事実はあまり知られていません。そこで本記事では、公式記録や信頼できる資料に基づき、上野西郷隆盛像の全貌を多角的に検証していきます。

上野西郷隆盛像はなぜ上野恩賜公園に建てられたのか?その歴史的背景

上野西郷隆盛像

上野西郷隆盛像が上野恩賜公園に設置された理由は、西郷隆盛と上野の地が持つ深い歴史的つながりにあります。西郷は明治維新において官軍を率いて旧幕府軍と戦いましたが、その激戦地の一つとなったのが、まさにこの上野の山(寛永寺周辺)でした。戊辰戦争における上野戦争の舞台であり、歴史的な転換点となった場所です。

また、明治維新から時が経ち、西郷の名誉回復が進む中で、彼の功績を後世に伝える記念碑をどこに建てるべきかという議論が起こりました。当初は別の候補地も挙がっていましたが、上野の山は多くの人々が行き交う文化的・公共的な中心地であり、かつて敵対した人々も含めて広く記憶を留める場所としてふさわしいという判断から、現在の設置場所が選ばれました。

銅像の製作者と制作の経緯:高村光雲の手腕とこだわり

この歴史的な銅像の制作を手がけたのは、明治から昭和にかけて日本の近代彫刻界を牽引した名匠・高村光雲です。光雲は、詩人・高村光太郎の父としても知られていますが、彼は西郷隆盛の人物像を後世に正確に伝えるため、非常に緻密な調査と構想を行いました。

西郷は生前、自身の写真を好まなかったため、現存する写真が非常に少ない人物でした。そのため高村光雲は、西郷の知人や親族への聞き取りを重ね、骨格や体格、当時の服装などを綿密に割り出して原型を造り上げました。加えて、銅像全体の鋳造には国内外の優れた技術が結集され、細部にまで職人たちのこだわりが行き届いた傑作となっています。

上野西郷隆盛像の歴史・建立年表と主要データ

上野西郷隆盛像が構想されてから除幕式に至るまでの主な経緯や基本情報を、以下のテーブルに整理しました。

時期・項目 出来事・詳細 備考・主な実績
明治22年(1889年) 西郷隆盛の特赦(名誉回復) 朝敵としての処分が解かれ、記念碑建立の機運が高まる
明治30年(1897年) 銅像の制作本格化 彫刻家・高村光雲が人物像の原型を担当
明治31年(1898年)12月 上野西郷隆盛像の除幕式 多くの関係者や市民が参列し、盛大に挙行される
設置場所 上野恩賜公園(東京都台東区) 上野の山の一角、南側に位置する象徴的なスポット

愛犬「ツン」との関係と、意外なモデルの秘密

上野西郷隆盛像を語る上で欠かせないのが、西郷が連れている一匹の犬「ツン」の存在です。銅像の西郷は、狩猟着姿で散歩の途中のようなリラックスした雰囲気を纏っており、その足元には愛犬のサツマ犬(薩摩犬)であるツンが寄り添っています。

しかし、実はこのツンの像には興味深い裏話があります。西郷家が飼っていた実際のツンは雌の薩摩犬でしたが、銅像のモデルとして選ばれ、実際にポーズをとったのは別のオスの洋犬(あるいは別の猟犬)であったと伝えられています。高村光雲が造形するにあたり、頑丈で力強い猟犬としてのバランスや、西郷の威厳を引き立てる構図を考慮した結果、実際のツンとは異なる犬種や特徴が取り入れられたといわれています。

妻・糸子が驚いた?除幕式にまつわる有名な逸話

明治31年(1898年)12月に行われた盛大な除幕式には、西郷の妻である糸子をはじめ、多くの遺族や関係者が参列しました。この除幕式の際、銅像のベールが外された瞬間に糸子が漏らしたとされる言葉は、歴史の逸話として広く語り継がれています。

伝えられるところによると、糸子は除幕された夫の姿を見て、「うちの人は、普段はこんなに無骨な人じゃなかったのに……」「こんなに似ていない(あるいは実物と雰囲気が違う)」といった驚きの感想を抱いたとされています。西郷は写真嫌いで公の場でのポーズ写真もほとんど残されていないため、家族が知る普段の温和なプライベートの表情と、威厳ある軍服・狩猟着姿の記念像とのギャップに、妻として率直な戸惑いを感じたの可能性があります。このエピソードは、銅像が持つパブリックなイメージと、家族が知る素顔の間の人間味あふれるギャップを伝える好例となっています。

現地で絶対押さえておきたい上野西郷隆盛像の見どころ

現在、上野恩賜公園を訪れた際に注目すべき見どころをいくつか紹介します。

まず一つ目は、視線の先と周辺の景観です。銅像が向いている方角や、上野の山から下界を見下ろすような配置には、明治期の政治的・文化的中心地を見守るような意図が感じられます。また、周囲の豊かな緑と調和したブロンズの質感が、季節ごとに異なる美しい表情を見せてくれます。

二つ目は、細部の彫刻技術の高さです。高村光雲が手がけた衣類のドレープ(布のしわ)や、愛犬ツンの表情、西郷の手の質感などは、間近で見ると明治時代の最高峰の芸術水準を体感できるポイントです。記念撮影をするだけでなく、彫刻美術としてのディテールをじっくり鑑賞するのがおすすめです。

【上野西郷隆盛像】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:上野西郷隆盛像はいつ、誰によって作られたのですか?
A1:明治31年(1898年)に、日本の近代彫刻を代表する名匠・高村光雲が人物像の原型を手がけて建立されました。

Q2:足元にいる犬の名前は何ですか?実物とは違うというのは本当ですか?
A2:犬の名前は「ツン」です。西郷家で飼われていた薩摩犬がモデルですが、彫刻の構図やバランスを考慮して、実際の愛犬とは異なる犬種や特徴が造形に反映されたと言われています。

Q3:銅像の場所へのアクセスや見学の要点はどこですか?
A3:上野恩賜公園内の「上野の山」の南側に位置しており、JR上野駅から徒歩数分でアクセスできます。入場料などは不要で、いつでも自由に周辺の散策や鑑賞が可能です。

上野西郷隆盛像は、単なる歴史上の偉人の記念碑にとどまらず、明治期の芸術家たちの情熱、家族の知られざるエピソード、そして東京という都市の変遷を今に伝える貴重な文化的遺産です。なぜ上野に建てられたのか、その背景にある戊辰戦争の記憶や、愛犬ツンをめぐる制作の舞台裏を知ることで、ただ通り過ぎるだけでは見えてこない深い歴史のロマンを感じることができます。次の休日に上野恩賜公園を訪れる際は、ぜひ細部までじっくりと銅像を眺め、その歴史的背景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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